2010732 ランダム
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第25話 発令所にて

第25話 発令所にて

「前回は14年のブランク、今回は2週間かあ。こっちの都合はお構いなしって訳ね。
女の子に嫌われるタイプだわ。」

「あなたに言われたくないでしょうね。」

こちらは、再び現れた使徒に対応すべく、緊急作業の真っ最中ネルフ本部。
その中で、ネルフの誇る才媛、ミサトとリツコが余裕(?)会話をしていたのであった。

「パイロットは?」

「保安部が確保、今本部に移動中です!」

ミサトの問いに答えるオペレーター。

「初号機の状態は?」

「問題ないわ。シンジ君が訓練の時のように50%近いシンクロ率を出してくれれば充分勝機は有るわ。」

技術部の責任者として、リツコが答える。
シンジのテスト結果がよほど良かったのか、ミサトの表情も明るい。

「初めての搭乗でシンクロ率50%かあ。やっぱり選ばれた子供なのね、シンジ君って。」

「エヴァに乗るために生まれてきた様な子ね。」

「あの子は、そんな事言われても嬉しくないでしょうけどね。」

「葛城一尉、パイロット達が到着しました!」

「分かったわ!・・・・・・、達って??」

「よお、ねえちゃん。その制服なかなかええやんか。」

「りゅ!龍和尚!!なんで、こんなところに!!」

「お邪魔してマース。」

「ナ!ナーマオウさんまで!!」

「ミサト!今、なんて言ったの?」

「へ?」

「ナーマオウとか言わなかった?!」

「言ったけど?」

「まさか!このどちらが?!」

「こっちのニセ外人の方よ。」

「本人を目の前にして良く言いマスネ。」

「やっぱり、この女天然やな。」

とリツコが、和尚を押しのけ、ナーマオウの手を握った。

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「あなたがあの高名なドクターナーマオウですか?!」

「確かに私はナーマオウですが、・・・・一体なにで高名なのデスカ私は?」

「そりゃあ、医療技術に決まってるじゃありませんか!!
医師の免許も博士号もないけれども、メスを持てば並ぶ者のない腕をお持ちだと、医学の最先端を行くドイツにおいて賞賛されたドクターの噂は、かねがね耳にしていますわ!」

「それって、別の人と間違っていまセンカ?」

「ええ!?アレは、ドクターの噂と違いましたか?」

「まあ、そんなことはどうでも良いとして、パンについてはどうデスカ?」

「は?」

「パンについては聞いたことは有りまセンカ?」

「なんですの、パンって?」

「がはははははは!!!無理無理!誰もお前のパンのことなんぞ知らんって!!」

「パン作りが、ご趣味なのですか?」

意外そうに質問するリツコに龍和尚が代わって答えた。

「ちゃうちゃう!こいつは元々パン職人やねん!パン作りの修行にドイツまで行ったくせにモノにならへんで、帰ってきよったんや!」

「え?あの?医学が専門ではないのですか?」

恐る恐る尋ねるリツコに、ナーマオウが答えた。

「医学は趣味デス。特に、人体改造ガ。」

「は、はあ。そうなんですか・・・・。」

「ところで、ワシらもここで観させて貰うで。」

「ちょ!部外者に、そんなことをされては困ります!」

慌てて止めようとするミサトを遮るように声が響いた。

「かまわん!好きにさせろ。」

「い、碇指令・・・。」

意外にも、許可を与えたのは、碇ゲンドウであった。

「構わんのか?」

「ふっ、問題ない。」

小声で、ゲンドウと会話を交わす、冬月副指令。
実は、シンジの保護者である彼らが、シンジの戦いを発令所で見守る事は、既に交渉によって認められていたのである。

「ミサト!パイロットの準備が出来たわ!」

「分かったわ。今は使徒迎撃を最優先にしないと。」

リツコの一言に頭を切り換えたミサトは、ゲンドウに出撃許可を求める。

「エヴァンゲリオン初号機、発進します!構いませんね?」

「構わん、使徒を倒さねば、我々に未来はない!」

「エヴァンゲリオン発進!!!!」

シンジの戦いが、また始まろうとしていた。


続く


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